- 欧州中央銀行(ECB)がデジタル通貨(CBDC)に後ろ向きな政府へ警告
- 民間企業のデジタル通貨により、通貨の自律性を失う危険性があるとした
欧州中央銀行(ECB)がデジタル通貨(CBDC)への対応を呼びかける
欧州中央銀行(ECB)は、本日発表された報告書の中で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入に消極的な政府に対する警告を発しています。
対応が遅れることで、民間企業の発行するステーブルコインなどの影響で金融システムや通貨の自律性に対する脅威に直面する可能性があるとしています。
政府主導で発行されるデジタル版法定通貨のこと。
欧州連合(EU)の場合はデジタル版ユーロとなります。
CBDCは、ステーブルコイン(特定のフィアット通貨と連動するよう設計された通貨)に似た特徴を持っています。
欧州中央銀行の報告書の内容は?
欧州中央銀行(ECB)の報告書「The international role of the euro, June 2021」は、CBDCの導入に失敗した場合のリスクについて次のように懸念を示しています。
「外国のハイテク企業が将来的に人工通貨を提供する可能性がある。」
報告書では名前は挙げられていませんが、ECBは Facebook-the Diem Associationを念頭に置いていたと思われます。
Facebookが主要なスポンサーを務めるプロジェクト「Diem Association」は、2021年5月にステーブルコインの施策版が登場すると発表しました。
報告書では次のよう言及されています。
「中央銀行が金融政策上の義務を果たし、最後の貸し手としての役割を果たす能力が影響を受けるだろう。」
Property Rights Alliance(PRA)のEU政策アナリストで、シンクタンクOpen Europeのブリュッセル代表を務めていたPieter Cleppe氏は、ECBがビッグテックからの潜在的な脅威を感じている一方で、民間銀行もECBのデジタルユーロに同様の脅威を感じていると述べています。
「デジタルユーロは、銀行システムにおけるECBの役割を強化することになり、民間銀行にとっては不利になります。」
「これは、民間銀行が、すべての資金が実体経済に流れ込むのを防ぐために存在しなくなるため、金融の拡大がはるかに早くインフレにつながることを意味しています。」
欧州中央銀行向けCBDCの構築
法定通貨をデジタル化することで、金融取引の分析が容易になります。
危機的状況下でも安価に資金を供給できるため、各国政府はCBDCの設立に関心を持っています。
しかし、自国通貨のデジタル化を急いでいる政府は多くありません。
バハマや中国のデジタル人民元のように試験運用を開始している国もありますが、イギリスや日本などの他の国は熟考を続けています。
リップルちゃんのざっくりまとめ
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